市原湊
いちはらみなと
境川と逢妻川が衣浦湾に注ぐところに位置する。「三河国二葉松」に「刈谷 湊」とあるのは、この市原湊をさす。延宝六年(一六七八)清右衛門が刈谷町から市原に移り問屋を始め、この頃から江戸廻船・いさば・川舟・瀬取舟が出入りした。享保八年(一七二三)三木屋平右衛門が代わって問屋を始めたが振るわず、入江もしだいにうずまって湊はさびれ、主力は高浜湊(現高浜市)に移った。
市原湊からの積出商品は、榑木・米・酒・木綿・綿実など多種で、多くは高浜湊にまで運ばれて廻船に積替えられた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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