市条八幡神社(読み)いちじようはちまんじんじや

日本歴史地名大系 「市条八幡神社」の解説

市条八幡神社
いちじようはちまんじんじや

[現在地名]八幡町市条

市条の東方山麓に鎮座祭神誉田別尊など三神。法人名は八幡神社で、旧県社。長享三年(一四八九)書写の一条八幡宮祭礼日記(社蔵文書)によれば元慶元年(八七七)山城石清水いわしみず八幡宮より勧請、神田は初め一〇万八千刈余あったが、その後地頭の横妨により減少し、永享二年(一四三〇)には四万一千五〇〇刈余となった。一年一二ヵ月の祭礼は、小泉殿など荒瀬あらせ川流域の土豪の役田寄進により維持された。祭礼は年三二日間あり、このうち一月の七日間、八月の二日間、九月の六日間、一二月の年越の祭礼が盛大で、役田から寄進される供物はこの日に集中している。八月六日の尻神楽、同一五日の舞殿神輿、九月一三日の尻神楽・舞殿はとくに賑やかであった。前掲日記には政所まんどころ小泉こいずみ・下小泉・岡島田おかしまだなど現存する地名もみられる。

役田寄進者は前述の小泉殿のほか、山副殿・美濃殿・戸ノ内殿・カンノ子殿・六供供僧・和泉殿・政所・砂越殿・留守殿・賀藤殿・安田殿・フルガウ四郎太郎などで、その姓と対応関係が認められる地名が現八幡町のほか、平田ひらた町や酒田市にもある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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