市松人形(読み)イチマツニンギョウ

デジタル大辞泉の解説

いちまつ‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【市松人形】

木くずを練り固めた胴に首を据え、手足を縮緬(ちりめん)でつないで動くようにした人形。江戸中期の歌舞伎俳優の佐野川市松をかたどったとも、市松という孝子の姿になぞらえたともいう。大和(やまと)人形。いちまつ。いちま。

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大辞林 第三版の解説

いちまつにんぎょう【市松人形】

〔歌舞伎役者佐野川市松の姿を写したという〕
近世末期に流行した、木彫りの男児の人形。手が動き、腰・膝・足首が折れ曲がるように作られ、着せ替えたり抱いたりして遊んだ。桐きりのおが屑を固めたものや焼き物・張り子などでも作られ、腹に笛を仕込んだものもあった。いちまつ。いちま。

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世界大百科事典内の市松人形の言及

【着せ替え人形】より

…日本では江戸初期から木,練り物製などの裸人形を買い,家庭で衣服を縫って着せてふだんの手遊びに用い,雛祭には雛壇に飾ったりした。関西では市松(いちま)人形の名で少女たちに愛好された。明治以降のやまと人形(衣装人形)のなかにも着せ替え遊びのできるものがある。…

【佐野川市松】より

…代表的な舞台は,1741年(寛保1)江戸中村座で演じた《高野心中》の粂之介で,その衣装に用いた石畳(いしだたみ)の模様は〈市松模様〉として今日に残る。〈市松(いちま)人形〉の名も顔を似せて作ったことに由来する。浮世絵の好画材であり,女性の人気には絶大なものがあった。…

【人形】より

…家庭における人形に裸人形があり,これは木彫や練物や張子細工に胡粉(ごふん)を塗り仕上げたもので,手足を動かせるようになっている。これは市松人形ともいった。これを買ってきて家庭で腹掛けや衣装を縫って着せた。…

【やまと人形】より

…江戸時代初期からたいてい裸のままで売られたので裸人形と称し,やがて手の動くものから,さらに三つ折れ式に腰や膝頭,足首などが折れる精巧なものが作られ三つ折れ人形などと称した。これに衣装を着せたものを江戸ではただ〈人形〉,京坂では〈市松(いちま)人形〉とも呼んだ。大正期ころまでは家庭で衣装をつくることが多かったが,現在ではほとんどが衣装付きである。…

※「市松人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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