帯石観音
おびいしかんのん
[現在地名]橘町大字日前
嵩山の東北中腹(帯石山)にある山岳霊場寺院。西安下庄にある曹洞宗の帯石山普門寺の堂の一つ。
「注進案」によれば、弘法大師を開基とし、大師が嵩山の窟(奥の院)に参籠して護摩供修行の時、千手観音を中心に不動・毘沙門を彫刻して祀ったのがこの帯石観音という。また堂の左の奇岩帯石に南無阿弥陀仏の六字を自筆し、その下に子安地蔵尊を安置し、帯石の奇石にちなんで帯石山と号した。安産や疱瘡の守り本尊として女性の信仰を集め、法華経普門品の仏説より普門寺と号したという。普門寺は初め真言宗であったが、のちに天台宗となり、天文三年(一五三四)良景によって曹洞宗に改宗した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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