帯那峠(読み)おびなとうげ

日本歴史地名大系 「帯那峠」の解説

帯那峠
おびなとうげ

御坂みさか山地の北西端、大畠おおばたけ(一一一七・六メートル)西部の支脈で、じよう山と御正体みしようたい山の鞍部に位置する。標高約五二〇メートル。山家やまが村の帯那集落の北部にあり帯那峠と称されているが、市川大門高田たかた両村から帯那集落ヘ越す坂道のため高田坂ともよばれた。この峠道は駿州往還(河内路)で市川大門宿から岩間いわま宿(現六郷町)の間を結ぶ重要な交易路であったが、のちに市川大門宿―黒沢くろさわ宿から割石わりいし峠を越えて岩間宿へ至る道が開かれ、河内かわうち路が移ったので古道となった。古道は文珠堂(現三珠町表門神社)の下からあし川を渡り、市川大門村の内平塩ひらしおを経て帯那峠へ達した。帯那は河内領の分界に位置し、口留番所が置かれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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