常膳寺(読み)じようぜんじ

日本歴史地名大系 「常膳寺」の解説

常膳寺
じようぜんじ

[現在地名]陸前高田市小友町 上の坊

北方箱根はこね山の登り口にある。鶏頭山と号し、真言宗智山派。本尊は不動明王。「小友村安永風土記」には常善じようぜん寺とみえ、寛文一一年(一六七一)祐円の開山、本尊は千手観音今泉金剛いまいずみこんごう寺の末寺とみえる。寺伝によれば、当初天台宗でのち真言宗に転じたといい、祐円は中興の祖とされる。宝暦一一年(一七六一)の「気仙風土草」には昔鶴頭山常勝じようしよう寺という寺があったといい、鶴・勝の字が各々鶏・膳の字に似ているので伝写を誤り、当寺の山号寺号となったものかとしている。現在は無住で本寺金剛寺が兼務本堂のほか観音堂・白山権現が残る。観音堂は三三年目に本開帳、一七年目に中開帳が行われ、縁日は八月一七日。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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