帽子法(読み)ぼうしほう(英語表記)Hat Act

  • 帽子法 Hat Act

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

1732年イギリス議会が北アメリカ植民地に対して発した法律イギリス本国の重商主義政策による植民地産業規制の一つ。すでにフランスとの競争で苦しんでいたロンドンのフェルト帽子製造業者が,植民地の帽子製造業の拡大を恐れて議会圧力をかけ制定させた。 (1) 植民地間の帽子輸出入の禁止,(2) 7年以上の見習い工にのみ帽子製造を許可,(3) 1製造業者あたり見習い工を2名に制限,(4) 黒人の見習い工の禁止などを定めた。

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世界大百科事典 第2版の解説

北アメリカ植民地の帽子製造業を規制したイギリスの法律。1732年制定。植民地ではビーバーをはじめ毛皮が豊富であったので,植民地製毛皮帽は,当時のヨーロッパ流行により,対イギリス貿易の重要商品となり,本国のフェルト帽製造業者を圧迫した。彼らはアメリカ製帽子の輸出制限を議会に請願し,それによって制定された帽子法は,アメリカ製帽子のヨーロッパ市場への輸出のみならず他の植民地への輸出まで禁止し,帽子製造業労働者雇用も7年契約の白人年季奉公人2名までに制限した。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

1732年,イギリス議会が北アメリカ植民地における帽子の海外輸出を禁止した法律
イギリスの重商主義政策の1つで,本国工業と競争する植民地工業の発生を阻止しようとしたもの。しかし,実際上この法律はあまり励行されず,植民地では「イギリス製」と銘うって帽子を輸出することが多かった。

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