日本歴史地名大系 「幌泉郡」の解説 幌泉郡ほろいずみぐん 北海道:北海道日高国幌泉郡明治二年(一八六九)八月に設置された郡。「公文録」には「泉(ほろいつみ)」とある。旧ホロイズミ場所の領域を継承し、郡名も松浦武四郎の提案で同場所の名称を踏襲した(「郡名之儀ニ付奉申上候条」松浦家文書)。日高国の南端部に位置し、現在のえりも町の地域にあたる。南東と南西は太平洋に臨み、断崖絶壁の襟裳(えりも)岬が南に突き出ている。北西は様似(さまに)郡、北東は十勝国広尾(ひろお)郡に接し、中央部に豊似(とよに)岳がそびえている。明治二年場所請負制度の廃止により、請負人杉浦嘉七は罷免、当郡は開拓使の直轄地となり、函館産物掛の出張所と開拓使吏員を幌泉に置いて経営などにあたった。しかし営業不振により同五年に産物掛出張所は廃され、旧請負人杉浦が御用達に起用された。杉浦も同八年多額の貸越金により函館に退き、漁場は移住漁民・一般漁民・アイヌ等に開放された(日高開発史)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by