干渉分光器(読み)カンショウブンコウキ

化学辞典 第2版 「干渉分光器」の解説

干渉分光器
カンショウブンコウキ
interference spectroscope

光の干渉を利用した分光器光源からの光を適当な方法によって多数の平行光の群に分け,これをレンズで集めて干渉させれば,各群間の光路差が波長の整数倍になる方向で光は強められ,そのほかの方向では弱められる.この方法によれば,干渉する群間の光路差が大きい.すなわち,スペクトルの次数が高いために,分解能が高くなる.また,干渉光波の数が多いために,鮮鋭な明線が得られる.ファブリ-ペロー干渉計ルンマー-ゲールケ干渉板などはこれに属する.干渉分光器はプリズム分光器に比べて分解能が非常に高いために,スペクトル線微細構造を研究するのに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「干渉分光器」の意味・わかりやすい解説

干渉分光器
かんしょうぶんこうき
interference spectroscope

干渉計を利用して光のスペクトルを測定する装置。光の波長を高分解能で測定したり,任意の波長の単色光を取出したりすることもできる。ファブリ=ペローの干渉計ルンマー=ゲールケ平行板などと,普通の低い分解能の分光器とを組合せたものがよく使われる。また,測定しようとする波長領域の光を全部同時に測定したのち,フーリエ変換によってスペクトルに分解する干渉分光法は,赤外領域でのスペクトル測定によく用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の干渉分光器の言及

【分光器】より

…なお,測定対象にとらわれず,単に二つの光束の分光強度を定量的に比較する装置すべてを総称することもある。(7)干渉分光器interference spectrometer ファブリー=ペロー干渉計やフーリエ分光の原理を用いた分光器であって,分光放射計や分光光度計の型にまとめられたものも多い(干渉分光法)。(8)非分散型分光器non‐dispersive spectrometer 色ガラスフィルター,干渉フィルター,ガスフィルターなどを用いたものや,フーリエ分光装置など分散素子を用いない分光器の総称である。…

※「干渉分光器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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