日本歴史地名大系 「平乗寺」の解説 平乗寺へいじようじ 福井県:福井市旧足羽郡地区太田村平乗寺[現在地名]福井市太田町太田(おおた)集落の西部にある。文珠山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊は阿弥陀如来。天保二年(一八三一)の当寺由緒書は朝倉氏の家臣神小左衛門尉道清が蓮如に帰依し、道林と称して朝谷(あさだに)村(現福井県美山町)に一宇を建て、のちに当地に移ったとする。一方、当寺住持の西玄が元禄一五年(一七〇二)に記した太田村平乗寺記には、開基浄善が三門徒宗から本願寺派になったと記しており、天正(一五七三―九二)初年中野専照(なかのせんしよう)寺(現福井市)末(または大町専修寺末か)から転じたと考えられる。当寺には、石山合戦に際し救援を求める本願寺顕如の消息があり、その添状の性崇書状にはすでに平乗寺の寺号がみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報