平和のための協力協定(読み)へいわのためのきょうりょくきょうてい(英語表記)Partnership for Peace

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

平和のための協力協定
へいわのためのきょうりょくきょうてい
Partnership for Peace

PFP協定ともいう。旧ワルシャワ条約機構加盟諸国と安全保障面での協力をはかるため,北大西洋条約機構 (NATO) が各国と個別に結ぶ協定。冷戦の終結によってワルシャワ条約機構が解体され,安全保障体制を失った東欧諸国は NATOへの加盟を相次いで表明した。こうした動きに孤立化を恐れるロシアが警戒したため,妥協案としてアメリカが提案したもので,1994年1月の NATO首脳会議で採択された。調印国が安全保障上の脅威にさらされた場合,NATOは防衛義務は負わないが,緊急協議に応じるほか軍事予算の公開性向上,軍の民主的統制の確保,平和維持活動や救援活動の共同訓練・演習などの協力項目がある。 94年7月までにロシアをはじめ,東欧,北欧諸国の 22ヵ国が参加。

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百科事典マイペディアの解説

平和のための協力協定【へいわのためのきょうりょくきょうてい】

Partnership for Peace(略称PFP)の訳で,〈平和のためのパートナーシップ〉とも。1994年1月の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で決定されたもので,NATOが旧東側諸国との間で個別に結ぶ協力協定。NATOへの加盟を望む東欧諸国とそれに強硬に反対するロシアの双方に配慮してとられた措置で,NATO側からすれば東欧諸国の加盟への第一歩との位置づけである。この協定を結んだ場合,1.国防計画と予算の透明性の向上,2.軍隊の民主的統制,3.平和維持活動,捜索救援活動の要員訓練・演習などでNATOと協力・情報交換を行う。また,調印国はNATO本部に連絡事務所を設け,ヨーロッパ連合軍の司令部に将校を派遣する。ロシアはこれが実質的なNATO拡大であり,ヨーロッパの安全保障におけるNATOの比重が大きくなりすぎるとして,むしろヨーロッパ安全保障協力機構(OSCE)や北大西洋協力会議(NACC)の強化を図るべきだと主張していたが,結局1994年6月協定に調印した。
→関連項目安全保障ロシア

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