平太(読み)ヘイタ

デジタル大辞泉 「平太」の意味・読み・例文・類語

へいた【平太】

《「へいだ」とも》能面の一。勇ましい壮年の武将を表す。肉色の赤平太と白色の白平太とがあり、「八島やしま」「田村」「兼平」など二番目物後ジテに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「平太」の意味・読み・例文・類語

へいた【平太】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「へいだ」とも ) 能面の一つ。眉・髭が濃くはね上がり、上下の歯を持った男面。「八島」の義経、「田村」の坂上田村麻呂、「箙(えびら)」の梶原景季、「兼平」の今井兼平など、勇ましい武将の霊が後ジテとして登場する時に用いられる。彩色によって赤平太・白平太がある。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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世界大百科事典(旧版)内の平太の言及

【能面】より

…瘦男(やせおとこ)や蛙(かわず)は死相を表し,三日月や阿波男,怪士(あやかし)などは神性の表現に特徴がある。平太(へいた)と中将は特に武将の霊に用い,頼政や景清,俊寛など特定の人物への専用面も現れた。喝食(かつしき),童子など美貌若年の面のなかにも,蟬丸や弱法師(よろぼし),猩々(しようじよう)といった特定面ができてくる。…

※「平太」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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