平山用水(読み)ひらやまようすい

日本歴史地名大系 「平山用水」の解説

平山用水
ひらやまようすい

小櫃おびつ川から取水する用水。江戸時代平山村は同川上流右岸の河岸段丘上にあり、田の用水としては溜堰、谷の絞り水に依存するいわゆる天水場であった。そのため畑がちで、夫食にも事欠くことが多かった。天保三年(一八三二)の用水開さく願書及び弁書(谷中家文書)によれば高四三三石余・反別五〇町二反余、うち田方一〇町五反余・畑方三九町六反余であった。このうち字大原台おおはらだい二〇町四反・朝立台あさだちだい二町六反に水を引き、畑の田成を計画した。主唱者は同村の三郎左衛門で、領主の武蔵川越藩に御普請を願った(同文書)。藩では見分のうえ普請を許可、同四年普請巧者夷隅いすみ小苗こみよう(現大多喜町)の五右衛門の請負のもと工事に着手した。難工事の末同七年に完成(「平山用水開墾絵馬」大原神社蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平山用水」の意味・わかりやすい解説

平山用水
ひらやまようすい

千葉県,房総半島中部,小櫃 (おびつ) 川中流部にある用水路。江戸時代末期段丘面の灌漑目的に造られた。

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