平岡山(読み)ひらおかやま

日本歴史地名大系 「平岡山」の解説

平岡山
ひらおかやま

[現在地名]福井市志比口二丁目

下四居しもよついの北、平野中に孤立した小丘陵で、福井城下の東に近接していたため、明治初年まで名勝の地として親しまれた。「延喜式」神名帳に載る坂井郡枚岡ヒラオカ神社」は当山にあったか。

慶長六年(一六〇一)結城秀康の入国後、結城ゆうき(現茨城県結城市)より引越した不動ふどう院が北庄きたのしよう城鬼門除けとして当山に移されたが、盗難に遭い、寛永二〇年(一六四三)城下に再移転した。また、「片聾記」の天和元年(一六八一)の記事に「同年御国大に飢饉、餓死人道橋をふさぎ、死骸平岡山石ケ谷に埋」とあり、これに関連してか、初め当山にあった城下民の火葬場「福居惣三昧」も貞享三年(一六八六)幾久いくひさ村に移転している(小沢家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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