朝日日本歴史人物事典 「平通盛」の解説
平通盛
生年:生年不詳
平安末期の公卿,武将。久寿2(1155)年ごろの生まれか。権中納言平教盛と藤原資憲の娘との嫡男。弟に教経がいる。平治2(1160)年蔵人。以後常陸介,能登守を経て越前守となる。治承3(1179)年中宮亮。寿永2(1183)年2月従三位となるが,平家西走によって8月除名。翌年一の谷の戦で討死を遂げる。『平家物語』では治承4(1180)年南都攻撃には副将軍,寿永2年北国追討には大将軍として発向。都落ち直前には宇治橋を固め,都落ち以後も西国で戦う様が記される。また,愛人小宰相があとを追って入水する悲話が描かれ,ふたりの馴れ初めも描かれる。ふたりの恋は『建礼門院右京大夫集』にも載る。
(櫻井陽子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報