年挙(読み)ねんきょ

精選版 日本国語大辞典 「年挙」の意味・読み・例文・類語

ねん‐きょ【年挙】

〘名〙 古代中世紀伝明経明法・算の四道、及び勧学院奨学院学館院で、毎年または一年おきに、それぞれの道に学んでいる学生うちから、諸国の掾(じょう)に任ずるものを推挙すること。
西宮記(969頃)八「奨学院 王氏諸生別曹、在原行平申立、公卿別当、辨別当、有官無官、別当行院事、有学頭、有年挙、在勧学院西

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の年挙の言及

【学館院】より

…その後も橘氏はふるわず,学館院もいつしか廃滅したようで,1147年(久安3)にその再興の議が起こったときには,その跡地はすべて田になっていたといい,結局再興しなかったらしい。ただし大学別曹の権利として諸氏出身者が年1人諸国の掾(じよう)に任官する三院の年挙(ねんこ)の慣例は残り,また学館院別当の職名と若干の学館院領とは,中世にも存続していた。【土田 直鎮】。…

【勧学院】より

…学生は入院名簿を出して勧学院に入るが,盛時にはその数も多数にのぼったと思われ,元服前の幼少の小学生もいた。成績優秀な者には勧学院学問料が支給されるが,これは文章得業生に昇進する有力な資格であり,また毎年1人が諸国の掾(じよう)に任官する年挙(ねんこ)という特権も勧学院に与えられていた。これらの学生からは多数の学者や官人が出て藤原氏の勢力発展を助けた。…

※「年挙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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