広域汚染(読み)こういきおせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「広域汚染」の意味・わかりやすい解説

広域汚染
こういきおせん

大都市など公害発生源が広範囲に密集したり,コンビナートのように汚染物の大量発生源が存在するため,広い地域にわたって発生する汚染。汚染エリアのなかに多様な汚染発生源があるため,大気では硫黄酸化物窒素酸化物オゾン粉塵などが,水域では重金属類,有機塩素化合物,界面活性剤などの汚染・汚濁が複合して発生し,これが被害をさらに大きくしたり,汚染物質が互いに影響し合って2次汚染を引起したりしている。こうした地域では拡散理論による濃度規制では公害防止は不可能で,地域の環境容量から割出した総量規制がとられている。ヨーロッパなどでは,隣国の工業地域から発生する公害が大気や河川を通じて国内に被害をもたらす場合もあり,越境汚染に対処するため多国間協定が締結されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android