広津野(読み)ひろつの

日本歴史地名大系 「広津野」の解説

広津野
ひろつの

[現在地名]新宮市新宮

新宮城下の南、下熊野地しもくまのじの南西にあり、集落は熊野灘を東に見下ろす台地上に点在。広津野村ともいった(熊野見聞記、新宮領分見聞記)。現在「広角」と書く。慶長検地高目録では城下と合石で新宮町として一括される。

熊野新宮から那智に詣でる巡礼者は古くは中熊野地から広津野の王子おうじヶ浜を磯伝い三輪崎みわさきに向かったという。この浜辺の御手洗みたらいという所に胎内くぐりと称して巡礼者がくぐった岩穴があり(熊野案内記)、「西国三十三所名所図会」は「さればこの頃権現参詣の徒、この海辺にて手水をつかひ、身を清めしゆえに御手洗といふならんか」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android