日本歴史地名大系 「広渡川」の解説 広渡川ひろとがわ 宮崎県:南那珂郡広渡川鰐塚(わにつか)山(一一一八・一メートル)南東斜面を源流域とし、北郷(きたごう)町と日南市を貫流する二級河川。県南地方最大の川で、全長三八・五キロ。沖積平野の形成は中流域の北郷町北河内の坂元(きたがわちのさかもと)地区でみられ、小さな河岸段丘をもつ谷底平野が発達する。しかし同所から下流二キロばかりは峡谷がつづく。北郷町郷之原(ごうのはら)地区から再び沖積平野が広がるが、両側から山に迫られ、幅はさして広くない。河口上流一・五キロほどの所で右岸に合流するのが支流の酒谷(さかたに)川で、同川は北諸県(きたもろかた)地方と南那珂地方との境界をなす牛(うし)の峠周辺の山地を源流域とし、規模も本流に匹敵する。酒谷川の流路は日南市の中心部を通過するので、日南市民は同川を本流とみる意識がある。明治一九年(一八八六)の統計及内務報告(県庁文書)の河川ノ脈絡では酒谷川を西(にし)川、広渡川を東(ひがし)川とし、それぞれ独立した河川として扱っている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報