府南寺
ふなんじ
国府町本郷集落の東端にある。もと補陀落山府南寺といい、聖徳太子の創建と伝え、国府の南、観音山(六五メートル)にあったが、戦国時代兵火にかかり、現在地にあった泰平山無量寿寺に移り、泰平山府南寺と号する。真言宗御室派。府南寺の本尊を祀る観音堂と、無量寿寺本尊を安置する阿弥陀堂とが前後に並ぶ。一名「ウヘ(上)」寺ともいう。亀山藩主本多俊次の時、奄芸郡御薗村がこの南東一・八キロの丘陵内に丸竹池を築き、同村より毎年国府村へ納められる敷地米一〇石八斗のうち八石が観音修復米として付けられ、さらに板倉重常の貞享元年(一六八四)には、高五石が寺領として寄進された(亀山御領分雑記)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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