延喜式神名帳頭註(読み)えんぎしきじんみょうちょうとうちゅう

改訂新版 世界大百科事典 「延喜式神名帳頭註」の意味・わかりやすい解説

延喜式神名帳頭註 (えんぎしきじんみょうちょうとうちゅう)

1503年(文亀3)吉田兼俱(かねとも)により著された〈延喜式神名帳〉についての注釈書。〈延喜式神名帳〉とは,927年(延長5)完成した《延喜式》巻九,十のことで,律令体制下,神祇官また諸国国司のまつるべき3132座の神社名を記した巻である。本書は頭註という名の示すように,はじめその上欄に兼俱が注記していたものを,後人がその注記のみを現在みられるように1巻にまとめたものであろう。著者兼俱は吉田神道唯一宗源神道卜部神道)の大成者。本書はその晩年の著で,神名帳に記す3132座のうち,任意にその祭神,また由緒などについて記しているが,それが全国に及び,当時において祭神をどのようにみたかを知る上で,また多く援用する古典のなかに,現在ではここに記す逸文しかみられぬものもあって,価値の高い書である。《群書類従》に収める。
神名帳
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android