延払い輸出(読み)ノベバライユシュツ(その他表記)export by deferred payment basis

デジタル大辞泉 「延払い輸出」の意味・読み・例文・類語

のべばらい‐ゆしゅつ〔のべばらひ‐〕【延(べ)払い輸出】

輸出業者が輸入業者に信用を供与し、代金の支払いを一定期間猶予することを認めた輸出方式。船舶・重機械・生産設備などの輸出で行われている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「延払い輸出」の意味・わかりやすい解説

延払い輸出
のべばらいゆしゅつ
export on a deferred payment basis

輸出業者が相手輸入業者に対し輸出商品の代金支払いを一定期間繰延べる決済条件を認めて行う輸出方式。ユーザンスのように短期間の信用供与とは区別される国際間の長期信用供与で,通常は機械設備や船舶などの大型プラント類の輸出について行われる。特に発展途上国向けの機械などの資本財の輸出はほとんど延払いとなっており,その場合の延払い信用供与額は,経済援助額の一部として扱われている。延払い信用供与は通常長期かつ多額に上るため,各国とも財政資金を投じて専門金融機関をつくり,民間の延払い輸出に対して低利融資を行わせている。日本では国際協力銀行がその任にあたっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「延払い輸出」の意味・わかりやすい解説

延払い輸出
のべばらいゆしゅつ
export by deferred payment basis

輸出業者が相手の輸入業者に対して代金の支払いを船積後2年以上繰り延べることを認めた輸出方式。国際間の長期信用取引のことで、ユーザンスなど短期の信用供与とは区別される。代表的なケースは、開発途上国に対する船舶やプラント類の輸出である。信用供与が長期で多額になり、民間資金だけで負担するのは困難であるので、日本では政府系金融機関が融資している。

[土屋六郎]

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