将来の収益を期待して商品生産に投入する用途に用いられる商品。資本財としてこの範疇(はんちゆう)に入るものは,原材料・仕掛品・製品の在庫などの流動資本財,および非居住用建物・構築物,生産機械設備・装置,運搬・運送機器(船舶・自動車・フォークリフトなど),その他工具備品などの固定資本財である。流動資本財は,1回の商品生産で使ってしまう原材料などのストックとなるものであるのに対して,固定資本財は,ある期間の反復的使用に耐えうる耐用年数をもつ点が重要である。この耐用年数の間,資本財は資本用役を供給しつづけ,単位期間当りの資本財の用役供給量は資本財の量に比例し,その比例定数は1であると想定されている。資本財は原則として再生産可能な商品であり,土地は含まれない。
執筆者:浜田 文雅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…経済学用語。投資の懐妊期間の意味で,資本財の生産着手からそれが完成して稼働しはじめるまでに経過する時間を指す。この語を初めて用いたのはケンブリッジ大学の経済学者A.C.ピグーとD.ロバートソンであったが,基本的概念の発案者はフランスのアフタリオンAlbert Aftalion(1874‐1956)である。…
…消費財は直接消費されるものである。生産財は生産過程に投入されて生産活動に用いられるものをすべて含むが,原材料や動力などと区別して設備,機械などを資本財と呼ぶこともある。消費財と生産財との分類は必ずしも排他的なものでなく,同じ財がときとしては消費財として,またときとしては生産財として用いられることも少なくない。…
…財の属性による分類ではないので,たとえば電力は,企業が消費財の生産に使用すれば生産財となり,消費者が使用すれば消費財となる。生産財には非常に多くの財が含まれるが,これらを労働と土地(自然資源一般を含む),そして資本財の三つに大きく分類することができる。このうち労働と土地は,生産過程において再生産することができない生物的・自然的産物であることから,本源的生産財と呼ばれる。…
※「資本財」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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