式目抄(読み)しきもくしょう

改訂新版 世界大百科事典 「式目抄」の意味・わかりやすい解説

式目抄 (しきもくしょう)

御成敗式目》の註釈書。《御成敗式目抄》ともいう。清原(舟橋)宣賢(のぶかた)の著作。1534年(天文3)成立。従来の式目註釈書が漢文体であるのに対しかたかな交り文であること,式目追加を重視していること,などに重要な特色がみられる。著者清原宣賢は式目註釈学の集大成者といってよく,本書に数多く引用された漢籍,図書,仏典の知識から広博教養が知られる。なお《続史籍集覧》第2冊所収の《清原枝賢奥書式目抄》は宣賢の註釈であると枝賢(宣賢の孫)奥書はいうが,内容に相違点が多く別本とすべきである。
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関連語 舟橋 小田

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「式目抄」の意味・わかりやすい解説

式目抄
しきもくしょう

御成敗式目』の注釈書。3巻。清原宣賢が天文3 (1534) 年に撰した。『御成敗式目抄』『貞永式目諺解』とも呼ばれる。現存する注釈書のうちでは最もよいものとされるが,清原家が公家社会の学者家柄であったこともあって,武家社会の実用的な注釈書であるとはいえない。宣賢は文中で,祖父清原業忠の説によると断っている。なお,現在の本文は宣賢の孫の枝賢が校訂したもの。『続史籍集覧』所収。

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