化学辞典 第2版 「引け巣」の解説
引け巣
ヒケス
shrinkage cavity, shrinkage porosity
収縮孔ともいう.鋳物や鋳塊の製造において生じる凝固収縮欠陥孔.ほとんどの金属および合金は,液体から固体への変態,すなわち凝固において体積収縮する.その収縮量は,スズ約2.8%,鉛3.4%,亜鉛6.5%,アルミニウム6.3%,銅4.1%,鉄4.4% である.溶融金属からの固体の生成に伴って起こる収縮部所に残留している液体が補給されないと,そこは空げきとして固体内部に存在したままとなる.この引け巣には,溶融金属中に吸収されていたガスが凝固時に放出されて生ずるガス気泡も集まりやすい.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報