引担(読み)ひっかつぐ

精選版 日本国語大辞典 「引担」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐かつ・ぐ【引担】

〘他ガ五(四)〙 (「ひっ」は接頭語)
① 勢いよくかつぐ。荒々しくかつぐ。
雑兵物語(1683頃)上「旗をひんまいてひっかつぐべい
② うまくだます。
滑稽本八笑人(1820‐49)初「日暮里中の人をすっぱりひっかついだが」
婦女誘拐(ゆうかい)する。かつぐ。
人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)五「今を盛りの上婦女、怪我させぬやう引(ヒッ)かつげ」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「呷々(ぐびぐび)喇叭で飲むで、慌忙しく大息を吹いて、又引被(ヒッカツ)いだ」

ひっ‐かた・げる【引担】

〘他ガ下一〙 ひっかた・ぐ 〘他ガ下二〙 (「ひっ」は接頭語) 勢いよくかつぐ。かつぎ持つ。また、さらう。ひっかつぐ。
狂言記三人片輪(1700)「かる物くらをあけて、引かたげ引かたげのくまいか」
浄瑠璃・聖徳太子絵伝記(1717)二「門のとびらをひっかたげ嶋主がしがいをのせ」

ひき‐かた・げる【引担】

〘他ガ下一〙 ひきかた・ぐ 〘他ガ下二〙 =ひっかたげる(引担)

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