弾性表面波素子(読み)ダンセイヒョウメンハソシ(英語表記)surface acoustic wave devices

デジタル大辞泉 「弾性表面波素子」の意味・読み・例文・類語

だんせいひょうめんは‐そし〔ダンセイヘウメンハ‐〕【弾性表面波素子】

圧電素子上の弾性表面波を利用する電子素子の総称フィルター共振器などに用いられる。SAWソウ素子。SAWソウデバイス。→弾性表面波フィルター

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改訂新版 世界大百科事典 「弾性表面波素子」の意味・わかりやすい解説

弾性表面波素子 (だんせいひょうめんはそし)
surface acoustic wave devices

SAWデバイスともいう。弾性表面波は弾性体の表面付近に沿って伝わる波の総称で,なかでもレーリー波従来地震波との関連においてその性格が解明されてきた。この波を圧電板上で励振すると,その波長が,例えば100MHzの周波数では0.03mm程度というように非常に短く,かつ板の表面上で容易に制御できるので,小型で特徴あるエレクトロニクス機能素子が得られる。現在実用化されたものにカラーテレビ用映像中間周波フィルターがあり,従来のコイルを用いたものに対して大幅に使用部品が節減されかつ信頼性の高い素子として認められている。表面波素子の一般構成は,圧電板上に設けられた線状の電極が交互に入り組んだものを主体とした電極群,すなわち電極パターンを目的により種々変化させて得られる。フィルターのほか信号処理用遅延線とくにフーリエ変換機能素子,圧力温度などのセンサー,光偏向器などに用いられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弾性表面波素子」の意味・わかりやすい解説

弾性表面波素子
だんせいひょうめんはそし
surface acoustic wave device

個体表面を伝搬する弾性波を利用した電子部品。主に地震と同じレーリー波が使われる。弾性表面波の励振および受信は,圧電基板上に形成されたくし型電極を用い,圧電作用を利用して行なわれる。弾性表面波の波長は電磁波の約 10-5 倍であり,素子寸法は非常に小さくなる。応用素子としては,フィルタ,遅延素子,共振器などがあり,小型,無調整,安価などの特長を持つ。 TV受像機,各種通信機器などに使われている。

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