(読み)カカリ

デジタル大辞泉 「係」の意味・読み・例文・類語

かかり【係(り)】

《「掛かり」と同語源》
(「掛かり」とも書く)組織の中である仕事専門担当すること。また、その人。「係りの者が応対する」「案内係り
文法用語。
助詞が、それを受けて結ぶ文末に影響を及ぼすこと。
係り結びの係りとなる語。係助詞結びに対する「」「なむ」「」「」「こそ」など。
関係。かかわり。
御情にて今迄ながらへたるが平頭ひんづの命、どこにゆかり―もなし」〈浄・松風村雨
[類語]担当受け持ち担任当番

けい【係】[漢字項目]

[音]ケイ(漢) [訓]かかる かかり かかわる
学習漢字]3年
ケイ
かかわりをもつ。つながる。「係争係累関係連係
つなぎとめる。「係船係留
[補説]「けい」と通用する。
〈かかり(がかり)〉「係員係官係長/庶務係」
[名のり]たえ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「係」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] ケイ
[字訓] かける・つなぐ・かかり

[説文解字]

[字形] 会意
人+系。系は呪飾として加える飾り紐の類。父を祀るにはその孫にあたるものを尸(かたしろ)に用い、孫が尸になる。生人に用いるときは係縛の意となる。〔左伝、襄十八年〕「獻子、朱絲を以て玉二(かく)を係けてる」のように、呪飾に用いるのが本義であった。〔説文〕八上に「束(けつそく)するなり」とあるのも、その意である。のち縛(けいばく)・拘囚(こうしゆう)の意に用い、係累・係虜のようにいう。

[訓義]
1. 呪飾として糸や紐をかける、つなぐ、つける。
2. むすぶ、くくる、しばる。
3. 国語で「かかり」とよみ、事務の担当者をいう。

[古辞書の訓]
名義抄〕係 カク・カカル・ツカヌ・ムスブ・ツラヌ・ツラヌク・ツナグ・ツキ・ツク 〔字鏡集〕係 ツラヌク・ツク・アツ・カカル・ムスブ・タクラフ・シタガフ・ツカヌ・ツラヌ・ツキ・ツナグ・カク

[語系]
係・系hye、kyeは同系の語。係は呪飾、(けい)((ふくろ)の形)の中のものを、を懸け垂らして撃つ形で、懸(けんけい)を主とする語である。それを強く結びつけることを結kyet、kyatという。

[熟語]
係意・係引係絏係獲係羈係仰係頸係瑣係嗣係踵・係心係紲係属・係・係念・係縛係縻係臂・係望・係履・係虜・係累・係縲・係・係恋
[下接語]
委係・関係・連係

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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