彼世(読み)あのよ

精選版 日本国語大辞典 「彼世」の意味・読み・例文・類語

あの‐よ【彼世】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人が死んでから赴くと考えられている世界。死後の世界。来世冥途(めいど)後世(ごせ)。かの世。⇔この世
    1. [初出の実例]「かく数ならず思はれたりとならば、この世にも、あのよにも深くつらしと思はん」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「竟(つひ)他界(あのよ)の人となりぬ」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四)
  3. ( 基準としていう語 ) 前に過ごした世界。現世娑婆(しゃば)
    1. [初出の実例]「宇津の山部の現(うつつ)にも、逢れぬ事を苦に病みて、むなしくあの世を去りけるが」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android