後藤乗真(読み)ごとう・じょうしん

朝日日本歴史人物事典 「後藤乗真」の解説

後藤乗真

没年永禄5.3.6(1562.4.9)
生年永正9(1512)
室町時代の装剣金工家。後藤家2代目の宗乗の長男。京都生まれ。幼名は次郎といい,家督相続後に嫡流通称四郎兵衛を名乗り,後年剃髪入道して乗真と改名した。諱は吉久。宗家後藤家の3代目として,室町幕府足利義晴,足利義輝両将軍に金工および政務両面にわたって仕えた。享禄1(1528)年皇居に乱入した暴徒を退散させた功により蓬,菖蒲,とゆもたせの家紋を許されたという。この逸話が示すように作風は荒々しく,軍陣,武具を題材にした作品が多い。永禄5(1562)年3月6日,近江坂本(滋賀県大津市)の所領を浅井尹政に攻められ戦死した。

(加島勝)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「後藤乗真」の解説

後藤乗真 ごとう-じょうしん

1512-1562 戦国時代の装剣金工。
永正(えいしょう)9年生まれ。後藤宗乗の長男。後藤宗家3代。作品は大ぶりで,後藤家のなかでは荒々しい作風とされる。将軍足利義晴,義輝につかえた。永禄(えいろく)5年3月6日近江(おうみ)(滋賀県)坂本の所領で隣国の浅井家とたたかい戦死した。51歳。京都出身。名は吉久。通称は四郎兵衛。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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