朝日日本歴史人物事典 「後藤乗真」の解説
後藤乗真
生年:永正9(1512)
室町時代の装剣金工家。後藤家2代目の宗乗の長男。京都生まれ。幼名は次郎といい,家督相続後に嫡流の通称四郎兵衛を名乗り,後年剃髪入道して乗真と改名した。諱は吉久。宗家後藤家の3代目として,室町幕府の足利義晴,足利義輝両将軍に金工および政務両面にわたって仕えた。享禄1(1528)年皇居に乱入した暴徒を退散させた功により蓬,菖蒲,とゆもたせの家紋を許されたという。この逸話が示すように作風は荒々しく,軍陣,武具を題材にした作品が多い。永禄5(1562)年3月6日,近江坂本(滋賀県大津市)の所領を浅井尹政に攻められ戦死した。
(加島勝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報