朝日日本歴史人物事典 「後藤縫殿助(4代)」の解説
後藤縫殿助(4代)
生年:天正15(1587)
江戸前期の門閥特権的な呉服商人。幕府御用達の後藤家は金座後藤と呉服後藤の両家があり,後者の初代は三河以来,徳川家康の御用商人だった。父忠正は島津一族から初代のときに養子に入り,軍功もあげた。その3男は本名を益勝といい,12歳より家康につかえ,のち3代将軍徳川家光の側近となった。3代目の兄忠直が慶長8(1603)年病没したあと,武家としての家督は弟の吉勝が継いだ。このとき御用達業務は4代目として益勝が継いだものらしい。寛永4(1627)年家光より縫殿助の名称を受け,以降代々幕府筆頭呉服師として同名を継承していく。呉服類の調達だけではなく,将軍身辺の諸事御用も勤め,私的にも親密な関係にあった。
(岩橋勝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報