日本大百科全書(ニッポニカ) 「徐特立」の意味・わかりやすい解説
徐特立
じょとくりつ / シュイトーリー
(1877―1968)
中国の教育家、革命家。字(あざな)は師陶。湖南(こなん)省長沙(ちょうさ)の人。貧農の出身で、寧郷速成師範を卒業後、数学教師となり、1911年中国同盟会に加入し、同時に長沙の湖南師範学校教授などを務めた。1919年湖南省留仏苦学生団団長として渡仏、リヨン、パリ両大学で学び、1923年帰国、長沙に二つの師範学校を建てた。1927年共産党に入り、南昌蜂起(なんしょうほうき)に参加して、中央革命根拠地で教育部部長となる。1934年には長征に参加し、陝甘寧(せんかんねい)辺区政府教育庁長、つまり解放区教育の最高指導者となった。1949年の人民共和国成立後は、中央人民政府委員などの要職を歴任。その著『国家公徳論』は新中国の道徳の基本、つまり祖国、人民、労働、科学、公共財産への五愛を示している。
[深澤一幸]