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中国近代の反清革命秘密結社。1905年8月,日本の東京で甘粛省をのぞく本土17省の留学生300余名を結集して組織された。総理は興中会以来の革命歴を背負う孫文,副総理格の執行部長に華興会の創立者で留学生に人望のあった黄興がついた。綱領は〈駆除韃虜,恢復中華,創立民国,平均地権〉(四綱)で,別の言い方では民族・民権・民生の三大主義である(のちに三民主義とよばれる)。機関誌は《民報》(1905年11月~10年2月),最初,孫文の弟子の汪兆銘,胡漢民,朱執信らが健筆をふるった。反満共和のするどい主張は,ながらく進歩的言論界を牛耳ってきた《新民叢報》に代表される改良主義の論調を圧倒した。06年7月,蘇報事件の3年の刑期をつとめあげた章炳麟が来日して《民報》の主筆となると,彼の学者革命家としての名声が革命派の声価をいっそうたかめたが,彼は孫文とあわず,そのため同盟会は内部分裂を起こすことになる。その遠因は孫文,黄興らが華南での武装蜂起路線に執着しすぎたことにあるが(1906年12月から08年4月の間に6度),09年10月に孫文らは香港に南方支部をつくり,11年7月,宋教仁らは〈長江革命〉をとなえて上海に中部総会をつくった。この分裂状況を克服させたのが,武昌蜂起とそれにつづく革命の勝利であった。12年3月,同盟会は首都南京で公開政党となり,のち8月には他の四つの小党を吸収して国民党となった。国民党の理事長には孫文がえらばれたが,実際に運営の衝にあたったのは宋教仁である。
執筆者:狭間 直樹
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中国で最初の明確な綱領をもった、全国規模の革命政党。義和団事件後の、清(しん)朝の支配体制の再編過程(新政運動)に、留学生の派遣や、学校設立が奨励されたことから、知識青年の数的増大がもたらされたが、1905年の日露戦争における日本の勝利と、ロシア革命の影響のもとに、留学生を中心に革命勢力の結集が進んだ。同年夏、孫文(そんぶん)の来日を機に、黄興(こうこう)、宋教仁(そうきょうじん)、宮崎寅蔵(とらぞう)(滔天(とうてん))らの画策により、興中会、華興(かこう)会、光復会など革命諸派の大同団結が図られ、甘粛(かんしゅく)省を除く全国17省の代表による討議を経て、8月20日に東京で結成大会が開かれて、加盟者は300余名に上った。孫文と黄興を正・副会長とし、執行、評議、司法の三部を置き、各省の責任者を決めた。11月、機関誌『民報』が発行されたが、孫文は「発刊の詞」において、初めて民族・民権・民生の三大主義(三民主義)の理論体系を明確化した。こののち、革命派は民主共和の革命を唱えて、君主立憲を目ざす改良派と論戦を交えたが、『民報』の発行部数は4、5万部に上り、ひそかに中国国内に持ち込まれて、大きな影響を与えた。また、革命展開の手順を決めた「革命方略」も定められて、1906年の萍郷(ひょうきょう)事件をはじめ、中国南方を中心に数次の反清武装闘争が展開され、辛亥(しんがい)革命が準備されていった。中華民国の成立に伴って公開政党とされ、ついで国民党に改組された。
[野澤 豊]
孫文の率いた革命的政治団体。日露戦争およびその後の世界情勢に刺激されて,中国人の間に革命的機運が高まり,反満興漢運動を続けてきた興中会,華興会,光復会は,1905年東京で中国同盟会(総理は孫文)に発展的解消をとげた。基本綱領として孫文の年来の主張「駆除韃虜(たつりょ),恢復(かいふく)中華,創立民国,平均地権」が掲げられ,数次の武装蜂起の中心勢力となった。機関紙『民報』は青年層に大きな影響を与えた。12年公開政党となる。
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…04年,蜂起に失敗して日本に逃げ,宮崎滔天にめぐりあった。翌年,滔天を介して来日した孫文と対面し,協力して中国同盟会を創立,ナンバー2の地位に就いた。同盟会時代,黄興は武装蜂起の前線指揮官として八面六臂の活躍をし,敵からもその豪胆を称賛された。…
…さらにその翌年を最後として科挙が廃止されると,知識人の革命化はおしとどめえぬ趨勢となった。05年8月の東京での中国同盟会の成立はその端的な表現である。同盟会は一面では《民報》によって革命世論の形成につとめるとともに,他方では革命的テロルと武装蜂起を精力的に遂行した。…
※「中国同盟会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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