最新 地学事典 「御荷鉾帯」の解説
みかぶたい
御荷鉾帯
Mikabu Belt
関東山地御荷鉾山(1,286m)周辺をはじめ,西南日本の三波川変成帯と秩父帯との境界付近に分布する低変成度の苦鉄質岩類。関東山地から四国西端の八幡浜まで断続的な分布を示す。これらの苦鉄質岩は蛇紋岩化されたかんらん岩・輝岩・角閃岩などの超苦鉄質岩,斑れい岩・ドレライト岩脈・枕状溶岩・ハイアロクラスタイトなどの苦鉄質岩に加えて,放散虫チャートと細粒泥質岩を伴う。放散虫化石の年代はジュラ紀最末期~白亜紀初期。斑れい岩や角閃岩の角閃石のK-Ar年代はさらに古い約150Maの値を示す。岩石の組合せから,これらはオフィオライトとみなされる。かつては中央海嶺起原とみなされたことがあったが,火山岩に斜長石斑晶を欠き,オージャイト斑晶が一般的であることや,地球化学的特徴も中央海嶺玄武岩とは異なる。最近ではプルーム起原であろうという考えもある。御荷鉾緑色岩類は,南太平洋スーパープルーム起原と考えると,1.5億年前に南太平洋で形成されたのち北上し,アジア東縁に衝突付加し,白亜紀最初期に日本列島の付加体の一部になったのち,白亜紀中期ころに三波川変成作用を受け,クロス閃石・リーベック閃石・パンペリー石・アクチノ閃石・緑泥石・緑れん石・あられ石・アルバイトなどのらん閃変成作用の変成鉱物を生じたことになる。
執筆者:丸山 茂徳
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

