御親文字(読み)ゴシンモジ

デジタル大辞泉 「御親文字」の意味・読み・例文・類語

ごしん‐もじ【御親文字/御心文字】

《「ごしん」で始まる語の後半を略して「文字」を添えたもの。近世女性語》
(御親文字)「御親切」をいう。
「勿体なや、―の御なさけ」〈逍遥桐一葉
御心文字)「御心中」「御心配」などをいう。
「姫君様の―は最前申しあげた通りで」〈伎・

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精選版 日本国語大辞典 「御親文字」の意味・読み・例文・類語

ごしん‐もじ【御親文字・御心文字】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 ) 「ごしん」ではじまる言葉の後半を略し「文字」を添えたもの。
  2. 「御親切」をいう。
    1. [初出の実例]「井戸よりふかき御心もじに、まめ男のころりとならせ給ふも」(出典:俳諧・宝蔵(1671)四)
  3. 「御心中」「御心配」などをいう。
    1. [初出の実例]「扨々みじかきあしのふしのま程なる御心もじかな」(出典:国町の沙汰(1674))
    2. 「少しは御心(ゴシン)もじやすく思しめしも下され候はんやと」(出典:続鳩翁道話(1836)一)

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