心に掛かる(読み)ココロニカカル

デジタル大辞泉 「心に掛かる」の意味・読み・例文・類語

こころか・る

ある事柄が心から離れないでいる。気に掛かる。「留守中子供のことが常に―・っている」
人の厚意にすがる。
「ただかばかりの御―・りてなむ多くの人々年を経ける」〈初音

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心に掛かる」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 に 懸(か)かる

  1. 心から離れないでつきまとう。念頭を離れない。気になる。
    1. [初出の実例]「かぐや姫のみ御心にかかりて、ただ独り住みし給ふ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  2. 心配なこととして気になる。恐れ、不安などが心に生じて離れない。
    1. [初出の実例]「都に思おく人々や心にかかりて、有やなしやのことのはだにも、今一たびきかまほしかりけん」(出典:海道記(1223頃)木瀬川より竹の下)
    2. 「次に轡(くつわ)(くら)の具に危き事やあると見て、心にかかる事あらば、其の馬を馳すべからず」(出典徒然草(1331頃)一八六)
  3. ある人の厚意にたよる。志を頼みとする。情けにすがる。
    1. [初出の実例]「生ひ先遠き人の御うへも、遂にはかの御心にかかるべきにこそあめれ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)

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