心拍計(読み)しんぱくけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「心拍計」の意味・わかりやすい解説

心拍計
しんぱくけい

1分間の心臓の拍動数を計測する装置で、脈拍計ともいう。心電現象を計数する方法と、脈波を計数する方法とがあり、患者の連続監視装置に組み込まれた心電計脈波計では、付属の計数回路によって心拍表示が可能である。また、光電脈波を測定して、計数回路によってただちに心拍数に変換表示する小型専用装置も多数市販されている。なお、光電脈波の測定とは、血液ヘモグロビンの吸収波長帯の光を体表面に照射すると、透過光または反射光の強さがヘモグロビンの量に比例するということを利用して血流の拍動を測ることをいう。

 連続監視装置に組み込まれた心拍計は、重症患者の状態を表す指標であり、一定の範囲を外れると警報を発するくふうが施されている。小型の専用心拍計は、スポーツや労働時の肉体的負担や精神緊張を知る指標として広く使われている。なお、心拍計のなかには、電気インピーダンス法によって心拍に同期した信号音を発生し、バイオフィードバック訓練(機械を用いた自律訓練)に用いる装置もある。

[古川俊之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心拍計」の意味・わかりやすい解説

心拍計
しんぱくけい
heart(pulse) rate meter; cardiotachometer; cardiotachograph

カルジオタコグラフ,脈拍数計ともいう。心拍計は,心電図または光電脈波計などの信号から1分間あたりの心拍数 (または脈拍数) を時々刻々カウントして表示する装置。心臓の拍動数は動脈脈拍,心臓拍動,心音などにより診断でき,生死の判断から心身の状況にいたるまで,広範な情報をそこから得ることができる。したがって心拍計は臨床,スポーツ医学,人間工学,労働医学などにおいて有用な人体モニターとなる。心拍数が一定の限界をこえたとき (多いか少いか) に警報を発する装置と組合せて,重症患者の監視用にも利用される。

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