ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「心越」の意味・わかりやすい解説
心越
しんえつ
[没]元禄8(1695).水戸
日本に亡命した明の禅僧,琴学家。東皐禅師心越。俗名は蒋興儔。延宝5 (1677) 年長崎に亡命し,興福寺に身を落ち着けたのち,天和3 (1683) 年,徳川光圀に招かれて水戸に下り,宗教,芸術の面で広く活躍した。水戸に祇園寺を建立するなど宗教的活動のほか,詩,書,画に優れ,琴 (きん) の師としても多くの弟子を養成,18~19世紀に儒官,侍医,蘭学者により琴学が広く愛好される基礎をつくった。高弟に人見竹洞,杉浦琴川らがいる。琴川は心越の琴曲を集めて『東皐琴譜』を編纂,刊行した。
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