忌み数(読み)いみかず

日本大百科全書(ニッポニカ) 「忌み数」の意味・わかりやすい解説

忌み数
いみかず

忌んで使用を避ける数。数について吉凶をいうことはいろいろの事柄について行われている。その多くはことばの音が不吉なことに通じるのを理由にしていわれている。たとえば四は死に通じ、九は苦と同音なので忌まれている。それについての俗信をあげると、四の日の旅立ちや引っ越しはいけない。四の日に床につくと長患いする。また六についてはろくなことはなし、一〇は溶けるといい、一九は重苦、三三はさんざん、四九は死苦といって忌まれている。いわゆる厄年(やくどし)といわれているものにもこの考えがみられる。19歳、33歳、42歳、49歳などがそれである。奇数偶数については、中国では奇数を吉とし、日本では偶数を吉としていたともいわれるが、かならずしもそうとは決まっていない。日本では古来八の数はよいと考えられているが、中国では七を吉としているようである。しかし贈答品については日本でも四、六、八を避け、三、五、七、九をよしとしている。壱岐(いき)島では婚姻に四つ違いは死に別れ、七つ違いは泣き別れなどといい、奇数・偶数とは関係ないようである。13という数を嫌うことは西洋ではキリストの最後の晩餐(ばんさん)の陪席(ばいせき)者が13人だったことによるという。13は日本でも厄年の一つとされている。13歳の子女が十三詣(まいり)と称して虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に開運出世を祈願する風習が各地にある。また山小屋では13人は悪いとされる。船にも13人乗りを嫌う地方があり、伊豆(静岡県)の三宅(みやけ)島では藁(わら)人形など一つ加え14にするとよいといっている。

[大藤時彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例