志摩国分寺跡(読み)しまこくぶんじあと

日本歴史地名大系 「志摩国分寺跡」の解説

志摩国分寺跡
しまこくぶんじあと

[現在地名]阿児町国府 まいせ

志摩半島の東部で外洋に面した志摩国府推定地である国府こう平地から北へ数百メートル離れた標高二五メートルの台地上に位置する。現在の天台宗護国山国分寺の北側と西側にはかなりの平坦地があり、軒丸瓦・軒平瓦などが出土していて、周囲一帯が寺域に推定されている。志州答志郡国府国分寺古来之事(国分寺蔵)には「往昔は只今之寺後ニ野原御座候 是寺之旧跡ニ而礎等少々相残 大塔之跡抔も少は見へ申様ニ御座候」とみえるが、堂宇の基壇跡・礎石遺存していない。発掘調査もなく規模・伽藍配置ともに不明である。

「類聚三代格」出挙条に収載の天平一六年(七四四)七月二三日の詔により、尾張国の正税四万束の出挙の息利が国分寺僧尼両寺の造寺用にあてられていたことが知られ、「延喜式」(主税寮)には、伊勢国の正税と公廨各々三〇万束と三河国の正税と公廨各々二〇万束から、それぞれ修理料三千束があてられること、講読師の安居・法服・布施・供養には尾張国の正税をあて、読師の料と正月の最勝王経の転読会には三河国の正税をあてる規定がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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