思ほす(読み)オモホス

デジタル大辞泉 「思ほす」の意味・読み・例文・類語

おもほ・す【思ほす】

[動サ四]動詞おもふ」の未然形尊敬助動詞」の付いた「おもはす」の音変化》「思う」の尊敬語。お思いになる。
藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を―・すや君」〈・三三〇〉

おぼほ・す【思ほす】

[動サ四]《「おもほす」の音変化か》「思う」の尊敬語。お思いになる。
「見も知らずをかしく―・して歩み入り給へど」〈とりかへばや・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「思ほす」の意味・読み・例文・類語

おもほ・す【思】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 動詞「おもう(思)」に尊敬の助動詞「す」が付いて変化したもの )
  2. 「思う」の持っている種々の意を含んだ尊敬語。お思いになる。中古には、「おぼす」という形でも用いられる。
    1. [初出の実例]「然れども思保須大御心坐すに依りて」(出典:続日本紀‐宝亀三年(772)三月二日・宣命)
    2. 「君うちゑみ給て、知らばやとおもほしたり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  3. 動詞の上につけて、その動作主への尊敬の意を加える。
    1. [初出の実例]「御けしきも変るを、うちにもいづくにもおもほしなげくに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)

おぼほ・す【思】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「おもほす」の変化した語か。「おもう(思)」の尊敬語 ) お思いになる。おぼす。
    1. [初出の実例]「むまぶねはたてたる所ありて、おぼほすなれば、給はらんにわづらはしかりなん」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

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