愛知川市(読み)えちがわのいち

日本歴史地名大系 「愛知川市」の解説

愛知川市
えちがわのいち

室町期愛知川宿一帯に立てられた市。愛知川中橋なかはし市、愛知川南宿領内の五日いつか市などがあった。市の起源は不明だが、中橋市は「当国親市」の長野ながの一日ついたち市に対し新市と称されている(年未詳六月七日「小幡商人申状案」今堀日吉神社文書、以下すべて同文書)。応永二五年(一四一八)四月一日の野々郷商人等市津料申状案には、保内商人が愛知川市の奉行に七月・一二月に各五〇文を納めるとある。この文書は応永年間の保内商人と小幡商人との間の商圏をめぐる争いの過程で保内によって作成された偽文書で、保内川(現筏川か)以北の市で保内側が商売をしてきた実績を示すためのものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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