愛餐(読み)アイサン

世界大百科事典 第2版の解説

あいさん【愛餐 agapē】

アガペとはギリシア語で〈愛〉を意味するが,原始キリスト教教会において持たれた共同の食事をも意味するようになった。この語は新約聖書の中では《ユダの手紙》12節でただ1度言及されるのみであるが,《コリント人への第1の手紙》(11:25)と《ルカによる福音書》(22:20)で言及される主の晩餐式と結びついた食事も,明らかに愛餐を意味している。この両個所によれば,それはパンとブドウ酒との中間になされたとされているが,順序に関しては議論が多く,《コリント人への第1の手紙》では主の晩餐式の前であったとする説の方が有力である。

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大辞林 第三版の解説

あいさん【愛餐】

キリスト教会で、礼拝のあと信徒が共同でする食事。古くは聖餐と密接に結びついていた。アガペー。

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世界大百科事典内の愛餐の言及

【愛】より

…プラトン個人の,〈死へのあこがれ〉が反映しているのかもしれない。 新約のキリスト教の愛は,とくに,〈アガペagapē〉というギリシア語で呼ばれる。新約の神は,愛ゆえに人間を創造した,〈愛の神〉であるが,神自身の本質も愛だとされる。…

【エロス】より

…これあるによって人間文化の発展も生まれるが,同時にそこから迷いも闘争も生まれてこざるをえない。ところが,このエロスに対して,新約聖書に示された愛,アガペーagapēは,罪なくして人間の苦しみを背負って十字架にかかったイエスに具現される愛であって,人間の罪にもかかわらず神から注がれる絶対的な愛である。それは人間の上昇の道ではなく,神の下降の道であった。…

※「愛餐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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