憂え(読み)ウレエ

デジタル大辞泉 「憂え」の意味・読み・例文・類語

うれえ〔うれへ〕【憂え/愁え/患え】

うれい1」に同じ。「子を思う母の―」
うれい2」に同じ。「―を忘れる」
嘆き悲しんで訴え出ること。愁訴しゅうそ嘆願
「かの―をしたるたくみをば、かぐや姫呼び据ゑて」〈竹取
喪に服すること。喪。
「まことの病及びておやの―に非ず」〈天武紀〉

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精選版 日本国語大辞典 「憂え」の意味・読み・例文・類語

うれえうれへ【憂・愁・患】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「うれえる(憂)」の連用形の名詞化 )
  2. 苦しいこと、つらいこと。
    1. [初出の実例]「草枕 旅の憂(うれへ)を なぐさもる事もありやと」(出典万葉集(8C後)九・一七五七)
  3. ( ━する ) 不満や苦しみ、つらさなどを人に嘆き告げること。愁訴。嘆願。
    1. [初出の実例]「かのうれへせしたくみをば、かぐや姫呼びすゑて」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  4. わざわい。難儀。また、心配。不安。
    1. [初出の実例]「かかるおい法師の身にはたとひうれへ侍りとも何の悔いか侍らむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)薄雲)
  5. 病気。わずらい。何となく心にはいりこんでくる物悲しさ。
    1. [初出の実例]「たとひ患(ウレヘ)の状の殊なりとも、先ずその本を療すべし」(出典:石山寺本金光明最勝王経平安中期点(950頃)九)
  6. 喪。忌中
    1. [初出の実例]「其れ真の病と、重服(オヤノウレヘ)に非ずして軽く小故(いささかこと)に縁りて辞(さ)れるは」(出典:日本書紀(720)天武七年一〇月(北野本訓))

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