憲章77(読み)けんしょうななじゅうなな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「憲章77」の意味・わかりやすい解説

憲章77
けんしょうななじゅうなな

1977年1月1日にチェコスロバキアの改革派が人権回復を求めて発表した宣言。同国では 68年に改革の動きが開花したが,ソ連などの軍事介入後改革派は職を追われ沈黙させられた。 77年6月にヘルシンキ宣言の再検討会議がベオグラードで開かれるのに合せて,元外相 J.ハーエク,哲学者 J.パトチカらチェコスロバキアの改革派 257人 (のちに 500人をこえた) は憲章 77を発表。人権尊重をうたったヘルシンキ宣言や人権条約を引用し,「わが国では人権や市民的自由が著しく侵され,政府が署名しているこれらの文書や条約は単なる紙切れになっている」と主張した。当局は憲章署名者を反共シオニスト・センターの手先ときめつけ,圧力を加えたが,フランス,イタリア,スペイン,イギリスなどの西欧共産党は憲章を支持し,ポーランドハンガリー,ソ連,ブルガリアでも憲章に同調する動きが現れた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「憲章77」の解説

憲章77
けんしょうななじゅうなな

1977年1月にチェコ−スロヴァキアの自由派知識人257人が発表したメッセージ
政府の人権抑圧を批判し,「人間の顔をした社会主義」の実現を訴えたもの。その全文が西側各紙に掲載され,大きな反響を呼んだ。反体制劇作家ハヴェルを中心とした非暴力的な革命の精神的な柱となった。

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