長野県小諸(こもろ)市にある小諸城跡公園。小諸藩1万5000石の城主(1702年以降牧野氏)の居城跡で、浅間(あさま)火山の泥流の末端が千曲(ちくま)川に臨む標高650メートルの断崖(だんがい)上にある。園の入口には1765年(明和2)再建の小諸城の三ノ門があり、天守閣の石垣も残る。この園が有名になったのは島崎藤村が旧城内の一部にあった小諸義塾に勤めていたことから藤村文学と関連したためである。『千曲川旅情のうた』の詩碑が千曲川の断崖上にあり、藤村記念館のほか、若山牧水らの句碑8基もある。1926年(大正15)造園設計者本多静六の指導で整備され、動物園、遊園地などもある。北アルプスや富士を遠望できる日もあり、浅間、八ヶ岳(やつがたけ)連峰を眼前に眺められる。サクラの名所としても名高い。小諸駅から徒歩5分。
[小林寛義]
…第2次大戦までは製糸業が発達したが,現在は電気などの工業が立地している。かつて小諸義塾の教師をしていた島崎藤村の詩《千曲川旅情のうた》で名高い小諸城の跡は,現在懐古園と呼ばれる公園になっており,園内には藤村記念館,小山敬三美術館,火山博物館,動物園があり,観光客が多い。また市内には菱野温泉,高峰高原などの観光地がある。…
※「懐古園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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