戸谷新右衛門(読み)とやしんえもん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸谷新右衛門」の意味・わかりやすい解説

戸谷新右衛門
とやしんえもん

生没年不詳。近世中期の義民。紀伊国(和歌山県高野山(こうやさん)寺領伊都(いと)郡清水組島野村の庄屋(しょうや)で、1721年(享保6)、高野山の年貢米収納用の桝(ます)は京桝を使用すべきであるのに、それより大きい讃岐(さぬき)桝を使用し、かつ桝に手を加えて多くを取り立て、付加税も多いと、江戸の寺社奉行(ぶぎょう)に越訴し、高野山で石子詰(いしこづめ)の惨刑を受けたという。しかし、これは佐倉宗吾(さくらそうご)(惣五郎(そうごろう))の高野山版で、多分に伝説的要素が強いという説が有力である。

[安藤精一]

『安藤精一著『和歌山県の歴史』(1970・山川出版社)』

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関連語 歴史

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「戸谷新右衛門」の解説

戸谷新右衛門 とや-しんえもん

江戸時代中期の農民
紀伊(きい)伊都(いと)郡(和歌山県)の高野山寺領の庄屋。高野山では規定の京升より容量のおおきい讃岐(さぬき)升で年貢を徴収していたため,享保(きょうほう)5年(1720)幕府にうったえでた。要求は実現したものの,身柄は寺にあずけられ,7年6月惨殺されたというが,この事件は実証性にとぼしく創作とみられている。

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