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手のひら返し現象 てのひらがえしげんしょう

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知恵蔵2015の解説

手のひら返し現象

亀田興毅、大毅、知毅の3兄弟は父史郎によって幼少期よりプロボクサーを目指して特訓を受け、3兄弟そろっての世界チャンピオンを目指していた。この「巨人の星」ばりのスポ根物語を持ち上げた一部メディア後押しもあって、2006年、長男興毅はWBA世界ライトフライ級王座決定戦で40%を超える驚異的視聴率を記録し、チャンピオンになった。ただ、判定に疑惑がもたれ、また、一家の品位のない言動に反感が高まっていった。 そして、兄に続いて次男大毅が07年10月にWBC世界フライ級王座に挑んだが、チャンピオン内藤大助選手に完敗し、しかも敗色濃厚の試合後半でセコンドにいた父親や興毅選手にあおられた形で反則に及んだため、試合終了後から一家に対する批判が集中した。直後の謝罪会見での「反則指示はなかった」とする父史郎の発言はさらなる非難を呼び、興毅選手の記者会見となった。ただ、ここでは、いつもの亀田節を封印した真摯(しんし)な対応に、拍子抜けしたワイドショー関係者の挑発的インタビュー姿勢が、逆に視聴者の反感を買ったりした。たしかに亀田一家は、低迷するボクシング界や視聴率が欲しいテレビ業界に甘やかされてきたことは間違いないが、不祥事があると、急にはしごを外して「手のひら返し」してしまうメディアのスタンスも問題視されている。自身の主演映画の試写会で、露骨に不快そうな態度を示した沢尻エリカも、ある程度までは生意気さが個性だったのだが、この時ばかりは、「エリカ様」なる言葉で揶揄(やゆ)されるくらいに強烈なバッシングを受けた。これも、ある意味での「手のひら返し」現象といえる。

(稲増龍夫 法政大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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