手を出す(読み)テヲダス

デジタル大辞泉 「手を出す」の意味・読み・例文・類語

・す

手を使って、対象となるものに動作をしかける。「ごちそうに―・す」「高めのボールに―・す」
暴力を振るう。また、けんかをしかける。「口より先に―・す」
新たに関与する。「株に―・す」
人のものを盗む。奪う。「預かり物に―・す」
女性を誘惑する。「勤め先の女性に―・す」
[類語]乗り出す食指が動く触手を伸ばす首を突っ込む手を延ばす手を広げる手を染めるちょっかいを出す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手を出す」の意味・読み・例文・類語

て【手】 を 出(だ・いだ)

  1. うったりなぐったりする。暴力を振るう。また、攻撃する。
    1. [初出の実例]「相論なかは手を出す輩」(出典:黒川本今川仮名目録(1526)四条)
    2. 「勇気堂々たる外貌に嚇かされて手を出す事が出来なかった」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉矮人巨人)
  2. そのことに関係する。かかわりあう。また、ものごとをやってみる。手出しする。
    1. [初出の実例]「是は、我と覚ての仕業、手を出して昼盗人より悪(にく)し」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)四)
    2. 「人に勝れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一)
  3. 女性と関係する。
    1. [初出の実例]「さすが母の戒がありますから、浮とは手(テ)も出(ダ)しませんでしたが」(出典:女難(1903)〈国木田独歩〉四)
  4. 人の物をとる。奪う。盗む。
    1. [初出の実例]「人の物なんぞに手を出して」(出典:半日(1909)〈森鴎外〉)

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