乗出す(読み)ノリダス

デジタル大辞泉 「乗出す」の意味・読み・例文・類語

のり‐だ・す【乗(り)出す】

[動サ五(四)]
船などに乗って出発する。「大海に―・す」
進んでその物事に関係する。「資源開発に―・す」「調停に―・す」
乗ることをしはじめる。「自動車をやめてバイクに―・す」
からだを前にぐっと出す。「身を―・して演奏を聴く」
[類語]手を出す食指が動く触手を伸ばす首を突っ込む手を延ばす手を広げる手を染めるちょっかいを出す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乗出す」の意味・読み・例文・類語

のり‐だ・す【乗出】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙
    1. 乗ることをしはじめる。のりいだす。
    2. 乗物に乗って出発する。また、勢いよく出発する。くりだす。のりいだす。
      1. [初出の実例]「てんと面白しで、サッサと乗出(ノリダ)したもんでごぜへましたが」(出典滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
    3. 進んで物事に関与する。積極的にその世界へはいっていく。
      1. [初出の実例]「いざ文壇に乗り出さうとして徐ろに試み初めたころには」(出典:都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. 乗って船、馬などを進める。のりいだす。
      1. [初出の実例]「いで大船を乗出(ノリダ)して 我は拾はん海の富」(出典:唱歌われは海の子(文部省唱歌)(1910))
    2. からだを前へぐっと出す。また、膝を進めて前へ出る。のりいだす。
      1. [初出の実例]「『や、産声を挙げたわ、さあ、安産、安産』と嬉しさうに乗出して膝を叩く」(出典:葛飾砂子(1900)〈泉鏡花〉一一)

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